2022年7月10日(日) 晴れ

 9時起床。

 女房の朝食。

 日曜美術館,将棋。

 石の声を聞くとか,我ら夫婦にはまったく縁のない感性で何か生来のというか遺伝子とかが効いているのだろうかね。

 わからんけど。

 将棋は千日手絡みの大熱戦。

 窒息しそうになった…。

 昼食は,バナナ1本。

 着替えて,女房と選挙へ。

 東京選挙区,投票したい候補がいないんだよねえ。

 消去法で選んでも難しい…。

 無理矢理名前を書いて,その足で銀座へ。

 駅で息子と合流。

 女房が悩んだ末に予約したというハイソなカフェ。

 ロココ調?とでも言えそうなおしゃれな内装,白いレースのカーテンで仕切られた個室の数々,乙女チックな雰囲気でとても女房のセンスとは思えん。

 こんなところでお茶するのは生まれて初めてのわが家族である。

 お客様方は全員やんごとなき一族かと見渡せば,意外とそうでもなさそう。

 カップルが多いのだが,どうも初デートの場として使われているような印象もある。

 そんな中でも場違いかもしれない我が家族。

 なんでここに?という感じだが,実は息子の彼女との初顔合わせなのである。

 退席した息子がやがて彼女を連れてくる。

 緊張の面持ちである。

 立ち上がって初対面の挨拶。

 はい,オッケー!

 問題なし!

 さすが,我が息子!

 私に似て人を見る目がある!

 しばらく話をして,それはさらなる確信となった。

 相当に緊張しているようだが,受け答えには揺るぎがない。

 きちんとしたご両親に愛されてまっすぐに育った印象がある。

 息子にはもったいないくらいだ。

 というか,我が不肖の息子をよくもまあ選んでくださいましたという感謝の念さえ出てくる。

 彼のどこがよかったのと女房がグイと迫る。

 ふーん…,ほほう…,そんな一面が…。

 外ではちゃんとやるんだな…。

 生後43日から保育園に入れて,以後野放しで育ったような息子だがしっかりしているじゃん。

 見直したぞ。

 結納とかやるの。

 やりません。

 結婚式は神前で,披露宴は家族だけで。

 大賛成。

 さっさと家を見つけて一緒に住みなさい,と乱暴なわれわれ。

 なんだかんだであっという間の2時間。

 ちょっと送ってくると息子。

 かわいらしい子ねと女房。

 しっかりとして落ち着いた感じがある。

 その辺に座っている女の子たちみたいにチャラチャラしたところがない。

 いや,失礼ながら実は私もそう思った。

 というか,我が家族が相当にチャラチャラしている…。

 3人ともペラペラよくしゃべったし…。

 ふだん無口な私も頑張ったぞ…。

 このまま帰ろうかというところで,息子が夕食をおごってくれると。

 ボーナスが出たんだな。

 ひつまぶしの店でひつまぶし。

 ベタベタふにゃふにゃでない鰻がうれしい。

 ビールをグラスに一杯。

 息子は飲まない。

 払うところを見たら一人5,000円見当か。

 金持ちの息子に感謝。

 そのまま家に戻って,しばらく歓談。

 彼女からお礼のLINEが届いたが,緊張ぶりは相当なものだったらしい。

 息子がネットに載っている女房の写真を見せたというのだ。

 エゴサーチすると元弊社の宣伝ページにいきなり登場するのである。

 バリバリのキャリアウーマン,時の人,飛ぶ鳥を落とす勢いのデキる女が余裕の笑みを浮かべながら自信満々に自分の業績を語るという体である。

 私が撮って彼女が文章を書いてという家内制手工業みたいなページだが,プロの手が入ってそれらしく見える。

 しかし,これはそもそも10年前のもので今は見る影もない,といってはなんだけど相当に劣化,いや進化しているわけであってなんの参考にもならないものであるが,これを見てしまった彼女はどんなすごいご両親が出てくるのかと恐れを抱いていたのだそうだ。

 何のことはない,ただのおしゃべりな婆さんと爺さんじゃないかと安心したに違いない。

 サクランボを食べて,息子は帰宅。

 選挙の開票速報を見始めるが,つまらないので新聞を読む。

 1時半就寝。

 なんだかんだでけっこう疲れたな。

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