9時起床。
女房の朝食。
いつも通りの木曜日の午前中である。
昼食は,きのう買った玉羊羹にお菓子。
玉羊羹は懐かしい。
子どものころ父親がときどき箱入りのものを買ってきてくれた思い出がある。
楊子でつつくとプチッとゴムがはじけて丸い羊羹が顔を出すのが楽しかった。
女房と昔こんなお菓子があったけれど最近は見ないねえという話をしたことがあって,おそらく60年ぶりぐらいに見つけて思わず買ってしまったというわけ。
楊子,楊子!と出してきたが,ちゃんとパッケージに入っていた。
口の部分がやけに長い,輪ゴムはついていたっけ?などと言いながら,プチンと突く。
ゴムのはじけ具合が予想外に地味だった。
当時とは材質を変えているのかもしれないな。
ネットでいろいろ。
16時過ぎ,着替えて国立劇場へ。
「桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ)」
文楽である。
女房のお師匠さんの予定がつかなくなって,女房に話が来たものの仕事が溜まっていて無理ということで,私が行くことになった。
文楽を見るのは,4年ぶり3回目。
歌舞伎と違って前後左右びっしりと客がいるのでちょっとビビった。
話はおもしろい。
心中ものの一つかもしれないが,一筋縄ではいかない深い話。
主人公のひとりの帯屋の長右衛門,陰で人助けをしているなど立派な男に見えるが,実はけっこうなダメ男なのである。
40近いくせに14才の娘お半と旅先で同衾して妊娠までさせてしまう。
賢くけなげで一途な奥さんがいるにもかかわらずである。
帯屋の主としては,ピンチである。
しかし,賢くけなげで一途な奥さんはそんな彼を機転を利かせて救うのである。
お半に片思いの丁稚の長吉を利用するというなかなかのしたたかさ。
このあたり,「長」繋がりでエラリー・クイーンのインストゥルメントではないが,ちょっと近代的な感じがしたな。(いや,思い出したので…)
長右衛門の義弟が延々と長吉をあざ笑うシーンは長過ぎの気もしたが,見せ場の一つなのだろう。
丁稚が同衾するふたりを覗く場面はなかなかにエロチック。
緑のものが鼻から出るので鼻息かと思ったら,青っぱなだった。
芸が細かい。
結局,長右衛門は賢くけなげで一途な奥さんを捨てて,お半と心中することになる。
お半の愛情にほだされたという体だろうが,これは外付けの理由かもしれない。
過去に心中未遂でひとり生き残った罪悪感や,大名から預かった名刀をすり替えられるという失態も抱えていたからである。
この辺,なかなか奥が深い。
勝手に2時間ぐらいと思いこんでいたら,3時間もあって尻が痛くなった。
どうせ?理解できないだろうと,イヤホンガイドを借りたのがよかった。
一応予習はして行ったのだが,ガイドがあるとさらにわかりやすい。
正面後方の席だったが,前のおばさんがデカくて舞台中央がえらく見にくかったのが残念であった。
私が頭をずらすとか,座高の高さを活かして背筋をシャンとすると後ろの人がかわいそう。
夕食の献立。
カレーライス。昨日の残り。私が準備する予定だったが,21時を回ったので女房にお願い。
女房の作った野菜のマリネ。
実家からの煮物など。
ビール500mL。
皿洗いは女房。
テレビなど見て,2時就寝。
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